宮崎市(読み)ミヤザキシ

デジタル大辞泉 「宮崎市」の意味・読み・例文・類語

みやざき‐し【宮崎市】

宮崎

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日本歴史地名大系 「宮崎市」の解説

宮崎市
みやざきし

面積:二八六・五九平方キロ

県のほぼ中央部東寄りに位置し、日向灘を東に望む隆起海岸平野の中央部を占める。西は東諸県ひがしもろかた国富くにとみ町・高岡たかおか町、宮崎郡清武きよたけ町・田野たの町、南は日南市・南那珂郡北郷きたごう町、北は宮崎郡佐土原さどわら町と接する。市域は東西一五・八キロ、南北三二・七キロ。市域北部と西部は宮崎層群とよばれる標高五〇―八〇メートルの高台が分布し、南部は双石ぼろいし(五〇九・三メートル)などに続く五〇〇メートル内外の宮崎層群の鰐塚わにつか山地(傾動地塊)が海岸に迫る。日向灘は砂浜海岸で、大淀川左岸以北の一ッ葉ひとつば住吉すみよし海岸一帯には砂丘がみられる。これらは砂洲や砂嘴海退現象で生じた砂丘で、入江は水田として開拓された。市域南部の加江田かえだ川以南の海岸は青島・しら浜の砂浜海岸を除き変化に富む岩石海岸で景勝地となっている。青島付近から高鍋たかなべ町までの海岸線は日本有数のアカウミガメの産卵地で、アカウミガメおよびその産卵地は県の天然記念物に指定されている。市域には北から石崎いしざき川・大淀川・清武川・加江田川が東流し日向灘に注ぐ。

日向灘に沿って走る国道二二〇号には折生迫おりゆうざこから内海うちうみの間の鰐塚山地を越えて日南海岸に至る標高六一メートルの堀切ほりきり峠がある。切通しになっており、峠から太平洋や日南海岸国定公園の展望が開ける。大正年間に開通し、当時の宮崎市の外港内海との主要交通路となった。かつての鵜戸うど神宮(現日南市)への参詣ルートは七浦七峠ななうらななとうげとよばれ、内海峠経由であった。道路はほかに市街地を南下したちばな通交差点から西に向かう国道一〇号、市街地から南西に下る同二六九号などが通る。海岸に沿ってJR日豊本線が走り南宮崎駅から南西に向かう。同駅は日南線の始発駅となっている。南宮崎駅のほか日豊本線には宮崎駅・宮崎神宮駅・はすいけ駅・日向住吉ひゆうがすみよし駅がある。日南線には南方みなみかた木花きばな運動公園うんどうこうえん曾山寺そさんじ子供の国こどものくに・青島・折生迫・内海・小内海こうちうみの各駅があり、平成八年(一九九六)日豊本線が宮崎空港まで延長され、田吉たよし宮崎空港みやざきくうこうの二駅が新設された。市名は「和名抄」に「宮埼郡」の名がみえ、神武天皇の伝承地も多く、「宮」の「崎」の意味が転じたものと思われる。

〔原始〕

旧石器時代の文化は南九州を厚く覆うシラスにより大部分がベールに閉ざされている。近年の調査増加でしだいにその姿を現しはじめた市域の遺跡は、シラス層上位の旧石器時代後期に属するもので、沖積平野縁辺の台地上に散在し、垂水たるみず台地では古くから遺物が表面採集されている。


宮崎市
みやざきし

2006年1月1日:宮崎市が宮崎郡佐土原町・田野町、東諸県郡高岡町を編入
【佐土原町】宮崎県:宮崎郡
【田野町】宮崎県:宮崎郡
【宮崎市】宮崎県
【高岡町】宮崎県:東諸県郡


宮崎市
みやざきし

2010年3月23日:宮崎市が宮崎郡清武町を編入
【宮崎市】[変更地名]宮崎県
【清武町】宮崎県:宮崎郡

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宮崎市」の意味・わかりやすい解説

宮崎〔市〕
みやざき

宮崎県中部,宮崎平野の南東部から日南海岸北部に広がる中核市。県庁所在地。1924年市制。1932年檍村,1943年赤江町,1951年瓜生野村,木花村,青島村,倉岡村の 4村,1957年住吉村,1963年生目村,2006年佐土原町,田野町,高岡町,2010年清武町をそれぞれ編入。市域は平安時代以降,八条院領 (国富荘園) となり,室町時代には日向地頭伊東氏の所領であった。豊臣秀吉の九州統一後は延岡藩高橋氏の飛び領地,江戸時代は大淀川を挟んで北が延岡藩,南が飫肥藩の所領であった。1873年県庁が設置されてから市街地が発達。現在の中心市街地は大淀川河口の沖積地にあり,大淀川左岸に近い県庁付近が官公庁,銀行,会社などの集中するビジネス地区で,橘通りは中心商店街,西橘通りと中央通りは娯楽地区。大淀川畔の橘公園ではフェニックスの並木が南国的景観を示している。全体的には商業都市の性格が強く,工業は家具,食料品,製材の中小工場が立地。大淀川南部,西部の丘陵地には住宅団地がある。郊外の農村部では早期水稲が広く栽培され,キュウリ,トマト,カボチャの施設園芸が行なわれる。黒木家住宅 (主屋,土蔵など) ,巨田神社本殿などは国指定重要文化財。生目古墳群,蓮ヶ池横穴群佐土原城跡穆佐城跡 (むかさじょうあと) ,安井息軒旧宅は国の史跡。国の特別天然記念物の亜熱帯性植物群落,および国の天然記念物の隆起海床と奇形波食痕で知られる青島は有名。清武の大クスは国の天然記念物。神武天皇ゆかりの宮崎神宮 (境内のオオシラフジは国の天然記念物) などは日南海岸国定公園に,西部はわにつか県立自然公園に属する。JR日豊本線,日南線,国道10号線,219号線,220号線などが通じ,宮崎空港がある。宮崎自動車道の起点で,宮崎インターチェンジがある。面積 643.67km2。人口 40万1339(2020)。

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